加点で採点する部分(D)と減点で採点する部分(E、A)がある現行の新体操ルール(2024年現在)。この記事では、減点で採点する部分である【E(実施)】がどのような場合に減点されていくのか?初心者にも保護者にも分かりやすくかつ具体的にまとめました。
得点表の【E(実施)】とは?
Eは、『実施点』あるいは『出来映え点』と呼ばれ、10点満点から減点することによって採点されます。新体操における美しい姿勢や形が崩れてしまったり、手具がしっかり動いてなかった場合等は技術的欠点として都度減点されていきます。
2025年~2028年に適用される新ルールではEスコアにE難度という加点要素も加わりますが、減点方式で評価される部分は現行ルールと変更はありません(2025年からの新ルール変更点は『【2025】新体操ルール2024年からの変更点・違いまとめーRG最新ルールの概要をつかもう』をご参照ください)。
ちびっこからオリンピック選手まで様々な選手の演技を見てきた筆者ですが、満点を取った選手に出会ったことはありません。
新体操ではアクロバットしながら手具を視野外・手以外で投げ受けするのがごく普通。
その中でバランスを崩さず美しく正確な形を保つのが如何に大変なことであるかが伺えます。
では、具体的にはどのような部分が減点対象となってくるのでしょうか?
次の章で見て行きましょう。
E(実施)の減点対象
E(実施)の減点対象となる状態を一覧表にしました。
審判の方々に聞けばこれ以外にももっともっと多くの項目が出てくるはずですが、ここでは現役時代に最も繰り返し耳にタコが出来るほど言われてきた減点対象をまとめています。
あなた(のお子様)は当てはまっていませんか?
フォーカスポイント | 減点対象の状態 |
つま先 | バレエダンサーの様に美しく丸まっていない |
指先 | 指先まで伸びていない |
膝 | 伸ばすべき所で曲がっている |
かかと | かかとを上げる(ルルべする)べき所で火かとが低い、あるいは十分に上がっていない |
肩 | 肩が上がっている |
姿勢 | 猫背 |
足 | 内股 |
開脚 | 開脚の方向がズレていて正しい形ではない(開脚度不足はDの加点が低くなる) |
バランス | グラグラして静止していない |
投げ(リスク) | 不正確もしくは美しくないキャッチ |
手具 | 場外(手具が場外に転がった、落ちた)、落下(手具を落とした) ・リボン(螺旋や蛇動などのかきが足りない、絡まる) ・ロープ(絡まる、ロープの形が正しくない) ・クラブ(風車の回転不足や動きの不正) ・ボール・フープ(転がすべき時にはずんでしまう)等 |
ジャンプ | 着地が重い(開脚度不足はDの加点が低くなる) |
ステップ | 無駄な歩数(例:投げる位置が不正確だったため、手具をキャッチすべく余計に数歩歩いてしまった。) |
以上の様に、E(実施)にて減点対象である技術的欠点が見つかる度に基本0.1点減点されていきます。その減点対象の状態が目立つ度に引かれていくため、例え0.1でもチリも積もれば…。
E(実施)が5点を越えてくると、レベルの高い選手であることが多かったように思います。
E(実施)は、通常4名の審判員で構成され各々が採点します。そして、最終的に中間2名の点数の平均値が得点として採用されます。
地道なトレーニング以外でE(実施)の減点対象を減らす方法
脱・ぽっちゃり体形
現在ぽっちゃりである場合、まず食生活を見直し減量しましょう。
体形というのは女の子にとってとてもセンシティブな内容であるため、はっきりと伝えることに躊躇する指導者も少なくありません。
体形が変わるだけでジャンプの着地やステップが軽くなり、Eの減点を防ぐことができます。また、足が太いために開脚度が足りなく見えるという問題もなくなります。
開脚度が足りないと、加点0.5の難度をしたはずが0.3の加点になってしまうこともあるので、Eの減点を減らすと共に加点のアップにも繋がります。
実施(E)を減らすのは、なかなか難しいものです。
日々の地道な筋力・体幹トレーニング、爪先補強、バレエのレッスン、柔軟性の向上…などなど、様々な方面におけるトレーニングを重ねて徐々に減らしていけるものである中、体形をどうにかすれば回避できる減点であるならば今すぐ取り掛かかるべきだと思いませんか?
自分のクセを知る
『演技をしても、1つくらいしか指摘されない』
『一体どこで減点されているのか不明』
『コーチにみてもらえる時間が少ない』
人数の多いクラブだと特に、このような悩みを抱える選手が多いかと思います。
コーチも、演技する度にすべての技術的欠陥を指摘する時間もないのもありますし、生徒のモチベーションを維持するためにあえて大切なことだけに絞って伝えている可能性もあります。
それにしたって、『一回で良いから全部教えて欲しい!』と思ったことはありませんか?
筆者も、我が子のEスコア(実施点)がなかなかアップしなかった時に『何がダメなの?』心底思い、思い切って第三者に映像を送って客観的に指摘してもらったことがあります。
私が利用したのはたった2000円のサービスでしたが、娘のクセや減点対象となり得る技術的欠点をひとつひとつ分かりやすくレポートにまとめてくださり、親子共々大きな学びとなり、親子共々ルールをもっと知ろうと思える良いきっかけとなりました。
因みに、私自身が利用したのはココナラ のサービスです。『先生にあまり見てもらえない…』とお悩みの方、『大会前に第三者の専門的評価が欲しい!』という方は、是非一度利用してみてください^^
※コーチに関して実は少し不信感のある方は、『【新体操あるある】点数が取れない!結果がでない!先生・コーチが知識ない?不信感募ったらやること3選』をご参照ください。
ルールを知る
ルールを知らないということは、練習から本番まで、すべての瞬間においての意識が弱くなります。
ルールを知ってはじめてその【0.1】点の重みを知るといっても過言ではありません。
注意されることはすなわち、点数に関わる部分です。
大会においては、その0.1点の差で勝敗を決めることもあるのです。
ルールを知ることで、練習ひとつひとつの重みも全く異なってきますよ。
※新体操のルールに関して詳細は、『【新体操ルールの大枠が分かる】点数の付け方・採点方法の謎を解き明かす!ールールブックの解釈 分かりやすく解説』をご参照ください!
上記の本は、新ルールに基づいた新体操の抑えるべきポイントをギュッと凝縮してまとめてくれているのでおススメです♪
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます!
この記事が、新体操の練習に励む皆さん、サポートするお父様お母様皆さんのお役に立てましたらとても嬉しいです。
陰ながら応援しております^^