孫や子供に「○○は観に来ないで!」と言われたことはありませんか?思春期特有のちょっとした反抗だったり、照れや恥ずかしさからくるかわいいものであれば問題はないのですが、それで片づけられない場合もー。この記事では、筆者自身の経験や教室の子供達の率直な意見をベースに、本気の【観に来ないで!】の背後にある心理をまとめました。
子供の「来ないで」発言は自らを省みるチャンス
愛する我が子が頑張る姿を目にするのを楽しみにしていたら、まさかの「来ないで」発言。
ショックですよね…。
実は筆者自身、親に「来ないで」と伝えていたクチでしたし、私の教え子達も、授業参観が近くなると「ママ(パパ)来ないで欲しい!!」と切実に訴える子がチラホラ…。
そして、その理由は実に様々で決して皆同じではありません。
次の章からは、その理由を5項目に絞ってまとめました。そこには今の子供達の生きた声だけでなく、筆者自身の実体験も含まれています。当時の自分は、気持ちを整理できずに『嫌だから来ないで』と感じたことだけを親に伝えていましたが・・・。
大人になって当時の気持ちを振り返ってみると、不思議と綺麗に分析できるものなのですね。
ーどれか当てはまりそうなものはありますか?
ものによっては、子供への接し方を今からでも改善することをおすすめします。
「来ないで」と言われたら、それは今後お子様とより分かりあえる様になるチャンスかもしれません。
1. 親の子供への期待値が高すぎる
子供からイベントや試合の話があった時、以下の様な問いかけをしていませんか?
「どうせ脇役だろ?」「レギュラーなの?」「試合出るの?」
何かのイベントがある度に、子供がイベントの中心にいるか否かを確認していませんか?そして、メインでなかった場合に「じゃぁ行ってもしょうがないね…」となっていませんか?
その言葉は、子供の心に以下の様な式となって突き刺さります。
【主役やレギュラーじゃない】=【価値がない】【意味がない】【かっこ良くない】【認めてもらえない】
いつもあからさまに中心を期待される子供達は、もしそうでなかった場合、親の基準値に満たない自分がとてつもなく恥ずかしくかつ情けなく感じ、自己肯定感が急降下。
さらには、期待されるポジションが叶った場合でも、いずれは失敗を恐れて「来ないで」と伝える選択肢を取るようになります。
我が子が中心にいたらそれは嬉しい事でしょう。しかし、果たしてそれは一番大切なことでしょうか?
我が子が希望した(あるいは与えられた)ポジションを精一杯頑張っていることが大切であり、その様子をしっかりと見つめ、褒めてあげなくてはならないのではないでしょうか?
【脇役】や【補欠】という事実が分かった瞬間、興味を失うような態度も非常に良くありません。どのような立場であれ、我が子が興味を持ち、努力していることに対して前向きに応援することが大切です。
これは、私自身の実体験です。はじめは親に観に来てほしかったけど、そのうちすべてのイベントに「観に来て欲しい」と言わなくなりました。試合に出たり、主役である時でさえも拒否するようになりました。
心理的には、「どうせわたしなんて大したことないし。」「レギュラーじゃない私に興味ないんでしょ?」「失敗したら茶化すんでしょ?」という気持ちでいっぱいでしたね。
随分ひねくれちゃいましたねー。
2. 自分の親を見られるのが恥ずかしい
子供は残酷です。悲しいかな、下記の様に外見的要素が特徴的な親は『来ないで』と言われる率が急上昇。
- 禿げている
- 非常に太っている
- うるさい(声が大きい、おしゃべりが過ぎるなど素行が悪い)
- 臭い(口臭、体臭、過度な香水臭)
どれも子供達のいじりの対象とされやすい特徴です。
しかし、これは親としての子供に対する対応の問題とは別問題。改善できるものは改善し、どうしようもないものは受け入れてもらうしかありません。
それに、大人になるにつれ子供に受け入れられていき、改善していくのがこの原因の特徴です。
中学の時に、同じクラスの男子が「俺の母ちゃんうっさいからマジ嫌なんだけど」と言っていたのをよく思い出すんですよねー。
授業参観等でも隣のママ友とおしゃべりしたいのを我慢!聞くべき時はしっかりと静かにお話を聞くように私自身気をつけています…。
ちなみに私の母は綺麗で、小学生の頃はみんなに母を見て欲しいという気持ちがあったなぁ。逆に父は当時太っていて、「痩せたら来ていいよ」と言い放つ始末でした。
3. 応援ハラスメントを恐れている
「応援ハラスメント」もしくは「応援席ハラスメント」という言葉があるのをご存知ですか?
「応援ハラスメント」とは、保護者などの観覧者が応援席から出場している選手に向けて強い非難や指示の声を浴びせる行為のことを示します。
「今のボール取れるだろ!」
「シュート打てよ!」
「抜かれてんだろうが!!」
「何やってんだこのヘタクソ!!」
野球やサッカー、バスケットボールやバレーボール等、白熱しやすいスポーツ競技を観覧しに行くと、このような「応援ハラスメント父母」に遭遇する確率が往々にして高い傾向があります。
親から応援ハラスメントを受けている子供達は、必ずと言って良いほど親が観に来ることをひどく嫌がっています。
応援ハラスメント父母は、試合の時に限らず帰宅後も大抵は反省会を実施するのですが、当の子供本人はその場だけをやり過ごそうと耳に蓋をして説教を聞いていることがほとんど。
結果的に、その競技自体にも負の感情が芽生え、後ろ向きで伸びない子が育つという負のスパイラルに陥ってしまいます(伸びない子の親に関して詳しくは『【習い事ママ友は選ぶべし】毒親×伸びない子!伸びない子供の親の特徴と行動3選』)。
4. 親の圧が強すぎる
「絶対に手を挙げなさいよ。」
「~点以上取らないと家に入れないからね。」
「~秒出して来い。」
子供の性格によって程度の差はあれど、とって多かれ少なかれ必ずプレッシャーになる親の圧。
「手を挙げなきゃ…でも間違えたら怒られる…」
「~点取れなかったらどうしよう。ごまかしちゃおうかな。」
「~秒出さなきゃ…。そう思ってたら震えてきた…。こんなのもう嫌。」
親の期待値に添う様にかけられる圧。でも、そこまで結果をだせないかもしれない、頑張れないかもしれない自分がいる。
「できなかったら怒られる…」
「来ないで」という一言は、もはやそのような不安や恐怖から解放されるための方法の一つなのです。
うちの教室でも、親が来るのを心から嫌がる子供達のお母様は、「干渉多めで厳しい」お母様であることがほとんどです。そして、往々にして「パパならいいよ」と発言します。その場合、父親の方が干渉と圧が少ないことが多いからです…汗
特に、まだ幼児なのに「来ないで」となっている場合、思春期とは全くの別物です。ご自身の子供への対応を省みるチャンスかもしれません。
5. 思春期・反抗期
思春期、反抗期は多かれ少なかれ誰にでも訪れるもの。「反抗期がなかった」なんて子供の話もチラホラ耳にしますが、その判断も人それぞれ。
お子様が中学生~高校生くらいで1~4の項目に当てはまらない様であれば、「来なくていいよ」なんて発言があったとしても、「嗚呼…ついにそんなお年頃が来たのね。」で大丈夫!
何故か親と一緒にいることがむず痒い!
親の言動に何故かイラッとする!
反抗期がなかったという友人でさえ、やはり少なからずこのような気持ちを抱いたこともあったそうです。
手は放しても目と心は放さず見守るべき時期といいますでしょうか…。
我が子の活躍を見たいという気持ちも大切ですが、一定の距離も必要な大切な時期なのかもしれません。
きっと一過性のものなので、焦らずに見守りましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、子供の「来ないで」発言には、もしかしたら親として自らを省みる必要がある場合があるということを知っていただきたいと思い、自らの実体験と見聞による経験を基に記事にしました。私自身に対する自戒も込めております。
特に『2. 自分の親を見られるのが恥ずかしい』、『3. 応援ハラスメントを恐れている』に当てはまる場合は、あるレベルを超えると我が子以外にも影響を及ぼす可能性大!
言わば我が子の学校や習い事等における人間関係を親が邪魔をする最悪なパターンです。当然、親同士の人間関係にも悪影響間違いなし。
もしも、少しでも思い当たる節があるのであれば、子供のために改善していくことをお勧めします。
好きなことに前向きに打ち込める!
壁に当たっても乗り越えられる!
どんな結果であれ頑張っている自分をパパとママは褒めてくれるんだ✨
だから、大好き。どんな自分だって見られても大丈夫。
ー そんな気持ちでいられる子供達が増えて行きますように。
これから輝く子供達を心より応援しております!!
\ 伸びる子の親の品格については、コチラの記事をどうぞ! /