新体操キッズの皆さん。新体操をこのまま頑張ったとして、『中学生になったらどうやって続けて行けば良いの?』という漠然とした不安はありませんか?
日本では2024年現在、公立の中学校に新体操部はほぼほぼ存在しないので、9割越えの確率で私立を選ばざるを得ない現実があります。中学で新体操部を選んだ先輩は、どのような競技生活を送っているの!?知人の実体験調査に基づいてまとめました。
公立中学校新体操部に期待すべからず
中学受験する子供達がかなり増えた昨今ですが、それでも全国的には大多数の子供達が効率中学校を進学先として選択しています。
その公立中学校に新体操部は存在しないことがほとんど。あってもその形式は『特設新体操部(大会当日だけ教員が顧問として引率することで中体連主催の大会に学校の名前で出場することができるが、日常的な部活動はない)』。
すなわち公立の中学校に進学して新体操を続けて行く場合は、民間の新体操クラブに所属し、そこで練習を重ねるしかありません。
では万が一、公立中学校に新体操部が存在したら?
教員の負担軽減政策の一環として部活動地域移行の動きがすすんでいる現在、かつての『部活動』のような活動を求めることが出来るかというと、答えは『NO』です。
残念ながらこれは、新体操部に限らず言えることです。
翌年、あるいは翌々年、またはその後かもしれませんが、部活動が地域の指導者に委ねられるか、もしくは指導者が現れなければその部活が消える可能性もあるのです(執筆時点で2024年)。
公立中学校における部活動は今まさに過渡期。存在している部活も、今徐々にその活動日数・活動時間が抑えられてきている状態です。
公立中学校への進学をお考えの方は『部活があるから・・・』と安易に今の習い事を辞めない様、今後の動向を注意深く見守る必要があると言えるでしょう。
因みに、日本中学校体育連盟(中体連)主催の新体操大会は、2027年以降実施されないこととなりました…。
日本中学校体育連盟(中体連)は8日、全国中学校体育大会(全中)の規模縮小のため、水泳や体操などを2027年度から実施しないことを決めた。
全国中学校体育大会、水泳や体操除外へ 27年度以降 – 日本経済新聞 (nikkei.com)
新体操部は団体競技しかやらない
私立中学校に入学し、晴れて新体操部に入部して『びっくり!』とならないでくださいね。
部活で行う新体操は『団体競技』。個人演技まで作ってくれる部活顧問は皆無と言っても過言ではないと聞きました。
ですから、大会に個人演技でも出場できるようどこかのクラブチームにも籍を置き続ける部員も少なくありません。籍を置くということは、当然クラブチームの練習もあり、クラブチーム主催の大会にも出場するということです。
新体操部練習+クラブチーム練習+中体連大会(2027年より無し)+クラブ主催大会+お勉強
= 超絶多忙
しかも、部活とクラブチームの予定が被る日がないというわけでもない。
部活動の方は団体競技なので、休むと指導者含めメンバーにも多大な迷惑がかかります。しかし、個人競技を伸ばす時間も大切にしたい。
そんな中、個人競技と並行して頑張りぬいた知人は、部活を時たま休みながらも団体レギュラーの座を獲得したのですが…部員との仲がぎくしゃくしてしまったそうです。
部活だけ、あるいはクラブチームだけに所属している子だって、それだけでもなかなか大変な新体操(新体操の具体的な大変さまとめは『【習い事】新体操のデメリット7選ー選手経験者が【実体験を踏まえた現実】を”包み隠さず”具体的にお話しますー』をご参照ください)。
団体も個人も同じ新体操競技なのに、別の団体に所属することにより、それらの両立orハンドリングで更に大変になってしまうーそしてゆくゆくは続けるのが困難になってしまったりするのも、新体操を続ける中学生を取り巻くおおきな問題であるといえます。
これは、新体操が日本でなかなかメジャーなスポーツになり得ない一つの原因となっているのではないのでしょうか。
新体操強豪私立中学校に入るのもひとつの手段
『新体操にすべてをかけてもいい!』というくらいの気持ちがあるのであれば、はじめからクラブチームとの両立を考えずに、部活にすべてを注いでも悔いが残らないレベルの強豪校を選択するのも一つの手段かもしれません。
団体競技で出場しても結果が残せないような部活であれば、せっかくのレギュラーを勝ち取っても、結果の残せる個人演技ができるクラブチームの練習を優先したくなりますよね?…だから被る都度迷い、苦渋の決断の連続。本人的にはどちらも本当に頑張っている。なのに、クラブチームを優先することが多くなると、部活での位置づけは『練習休むあなたはどうせ個人優先よね?』となってしまう。
それならば、初めから強豪校で部活一択をやり切るのも手。
ただし、レギュラーを勝ち取れないリスクも加味しなければなりません。
親がかなり駆り出される中学校も
中学生なんだからもう自分たちのことは自分たちでやるでしょうと思うのですが・・・。どうも学校によっては撮影や場所取り、イベントの執り行い等まで請け負わされるパターンもある模様。
更に、親にも子供のスキルによるヒエラルキーがあったりしてなかなか面倒くさい世界があるとかないとか?子供だけでなく、親も覚悟が必要ですね…。
でも、ここまで新体操を応援されてきたお父様お母様は、それを既に乗り越えられてきた方々。きっと娘のためならなんでもない!という尊敬すべきハートの持ち主であると私は思っています。
何はともあれ、入学前には必ず親子で新体操部見学の機会を設けてもらい、全体的にお話を伺うことをお勧めいたします。
まとめ
この記事が、これからの新体操人生について『どうしよう』と考えている新体操キッズ、もしくはそのお父様お母様に少しでもお役立てられましたら光栄です。
新体操をこれから続けるか否か迷っている方は、『【新体操】いつまで続ける?いつ辞める?判断基準:ベストな辞め時とその準備、続けた方が良い選手の特徴をご紹介!』をご参照ください。何かのヒントになりましたら嬉しいです。
あなたがどちらの決断をしたとしても、私、これだけは言えます。
あなたが真剣に悩んで自分で決めたことなら、それは全て正しい!
今日も練習に励む新体操キッズに幸あれ!