【新体操ルールの大枠が分かる】点数の付け方・採点方法・ルールブックの解釈を分かりやすく解説

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【新体操ルールの大枠が分かる】点数の付け方・採点方法の謎を解き明かす!ールールブックの解釈 分かりやすく解説 新体操

「新体操の点数の付け方って、分かりにくい!」

これが、とある大会ではじめて新体操競技と各選手の得点を目にして私が思ったこと。総合得点は分かるけど、『D(DB/DA)』、『E』、『A』って一体何なの?何を基準に得点がもらえるの?何点取ったらスゴイの?…と、謎だらけ。

この記事では、指導者やコーチの立場にいない人たちが、新体操という競技の採点方法の大枠をすんなり理解できるよう、ルールブックに基づき分かりやすく解説します

※この記事は、『2022 – 2024 CODE of POINTS Rhythmic Gymnastics』に基づいて記載しておりますが、より正確な情報をお求めの場合、原本をご参照くださいますようよろしくお願い申し上げます。

※2025年~新ルールに移項しますが、その変更点の概要をつかみたい方は、こちらの記事をご一読いただいた上で『【2025】新体操ルール2024年からの変更点まとめーRG最新ルールの概要をつかもう』をご参照ください。

新体操って、そもそも何を競う競技なの?

音楽を表現・演技しながら身体の柔軟性を活かした技・手具を使った技を繰り広げつつ、その難易度、そして美しさ完成度芸術性を競う競技です。

演技は個人演技で1.15秒~1.30秒。全て13m四方のマット全体を使って行います。

種目は、手具に伴い以下の5種目。

  • リボン
  • ロープ
  • クラブ
  • ボール
  • フープ

この5種の手具を使用した演技に対する点数の付け方を次の章より具体的に説明していきますね。

因みに、記事の内容は全て最新のルールブック(原本)『2022 – 2024 CODE of POINTS Rhythmic Gymnastics』の内容に基づいていますが、現在も加筆修正が繰り返されている様です(日本語翻訳版は審判講習を受けた指導者しか入手できません)。食い違いが発生する可能性がございますことをご了承くださいませ。

docslib.org

新体操の得点構成

新体操は、1回の演技を終えると大きく表示される総得点の下に『D、A、E』もしくは『DB、DA、A、E』の点数がそれぞれ小さな文字で表示されます。

総得点内各項目の点数の意味と採点方式を以下の図にまとめました。

新体操演技のおおまかな得点構成
新体操演技のおおまかな得点構成

難度とは?芸術とは?実施とは?

そして、それらはどのように採点されているのか。

具体的な点数の付け方を以下にまとめました。

構成の大枠については、2025年~2028年ルールでも変更はないのですが、DスコアとEスコアの中身に若干の変更があります。詳細は、『【2025】新体操ルール2024年からの変更点まとめーRG最新ルールの概要をつかもう』をご参照ください。

D(難度)得点とは?

D(難度)得点は、DB(身体難度)得点とDA(手具難度)得点の合計で算出されます。

加点式となっており、身体難度も手具難度も、組み込まれた難度のレベルによって加点数に幅があり、一つ一つのレベルが高ければ高いほど加点数が高くなります。

通常4名の審判員で構成され、DB2名、DA2名で各々が採点しますが、最終的に提出する点数は2名の中間点となります。

D(難度)の得点構成
D(難度)の得点構成

その難度の型がしっかりとできていれば満点の加点となりますが、開脚度が足りないと加点数から『-0.1もしくは-0.3』された分が加点されます。

また、難度実施中に【爪先が丸まっていない】、【膝が曲がっている】、【空き手が汚い】等マイナスポイントがあれば、それはE(実施)の方で減点されていきます(Eにの採点に関して詳しくは、『E(実施)得点とは?』をご参照ください)。

D得点は、点数の付け方がなかなか複雑です…。

1つ1つの難度をR、Wと組み合わせたりDAと組み合わせたり、DB同士で組み合わせたり(コンビネーション難度)するので、審判資格のある先生・コーチでないと点数の付け方を全て把握するのはなかなか難しいところです。

DB(身体難度)とは?

新体操選手

DB(身体難度)は「ジャンプ」、「ローテーション」、「バランス」と大きく3つの要素に分けられており、各要素から必ず最低1つずつは演技に組み込まなければならないという必須条件が定められており、不足毎に「0.3」の減点とされます。

演技に組み込んだ最も点数の高い身体難度から9個までが採点対象となります

※ジュニアの場合は7個まで

ジャンプ
大ジャンプ(0.3点)、鹿ジャンプ(0.2点)、ジャンプターン等
ローテーション
リングターン(0.3点)、パンシェターン、フェッテターン等
バランス
Y字バランス(0.1点)、I字バランス、リング等

例えば、演技の中に大ジャンプ、リングターン、Y字バランスを1つずつ組み込んだとします。すると、これらが完璧にできたら「0.7」の加点がもらえるわけですね!

また、演技の中に最低2つ必ず組み込まなくてはならないW(全身の波動)、最高5個組み込むことができるR(回転を伴うダイナミック要素)もDBに含まれます

※ジュニアの場合、Rは最高4個まで

R(回転を伴うダイナミック要素)とは?

俗にいう『投げ』のことで、以下の条件を満たすことが加点の必須項目となっています。

  • 選手が立った状態で二人分の身長を越える高さまで手具を投げる
  • 手具が空中にある間に最低2回の360度回転を行う
  • 回転直後または回転後の動作と組み合わせた手具の受け

W(全身の波動)とは?

演技の中に必ず2つ組み込まなくてはならない。全身の波動の数が不足してしまうと、0.3の減点となります。また、入っていてもしっかりできていない場合はE(実施)で減点となります。

確実・正確に実施できるよう日頃から練習する必要のある大切な要素です。

DA(手具難度)とは?

DA(手具難度)とは、特殊な基準を伴った状態で手具技術の要素(手具ベース)を行うこと。演技中に実施された順で20個まで(シニア)採点対象となります(最低1個)。

※ジュニアの場合は15個まで

E(実施)得点とは?

Eは、『実施』あるいは『出来映え点』と呼ばれるもので、10点満点からの減点法式により採点されます(2025年からの新ルールでは、E難度という加点方式の要素も追加されます。詳しくは、『実施 (Eスコア)について』をご一読ください)。

E(実施)減点のポイント

  • 手具の落下
  • 手具操作の欠点(例:リボンのかき不足や絡まり等)
  • 姿勢の欠点(例:猫背、内股、肩の上がり、爪先が丸まっていない、膝が曲がっている等)

以上の様に、E(実施)は技術面においてミスや欠陥があった場合にその都度減点されていきます。姿勢の原点は、基本0.1点の減点なのですが、目立つ度に引かれていくため、チリも積もれば…で、演技の完成度が低いと最終的にものすごく引かれることになるのがこの実施点です。

通常4名の審判員で構成され各々が採点しますが、最終的に一番低い点と高い点が無視され、中間2名の点数の平均値が得点として採用されます

E(実施)減点対象については、『新体操E(実施)減点対象13選一覧:トレーニング以外で減点を減らす方法もご紹介』により詳細にまとめております。是非ご一読ください!

A(芸術)得点とは?

新体操選手

A(芸術)得点は、本人の演技の表現力や演技力にも関係しますが、それと同時に指導者の『演技構成能力』も大きく作用する部分であるとも言える2022年以降の新ルールより採用された部分。E(実施)と同じく、10点満点からの減点法式により採点されます。

通常4名の審判員で構成され各々が採点しますが、最終的に一番低い点と高い点が無視され、中間2名の点数の平均値が得点となります。

A(芸術)減点のポイント

  • 音楽と調和の取れた手具操作・身体表現ではない
  • フロア/空間全体を上手く使って表現できていない
  • 単調で変化に乏しい
  • 音楽の特徴やアクセントに振り付けが合っていない
  • 構成に統一感がない
  • 演技のつなぎが不自然で、ただ技を詰め込んだ感満載
  • 無表情/不自然な作り笑い
  • ダンスステップコンビネーションが最低2つ入っていない
  • ダイナミックな変化が最低2つ入っていない
  • 投げと受けがワンパターン
  • 動きに特徴がない
  • 音楽終了時の動きがピッタリ合わない
  • 手具の場外により演技がしばらく止まってしまった&フロアの四隅に行けなかった …etc.

各項目を見ると、選手にはどうすることもできない演技構成の評価もあり、指導者のスキルも大いに影響することは確かです。

しかし、まずは自分にミスがなかったか必ず振り返りましょう。

また、審判員のハートに届くような迫真の演技力・表現力を身に着けるために自分を磨くことも非常に大切です。

万が一、「手具を落とすことなく、フォーメーションもしっかりできてるのに…A得点がどうしても伸びない!」・・・という状況に陥ってしまった場合は、率直に指導者に相談することをおすすめします。

…とはいえ、誰もが「表現」や「芸術性」の部分まで指導できるような優秀な指導者であるとはいえないこともまた悲しい現実(『【新体操】優れたクラブ/先生/コーチの選び方ー必須チェックポイント(実体験ベース)を暴露』をご参照ください)もあります。

部外者である私が客観的に見て思うに、ルールや評価観点の難易度が高いため、それをしっかりと理論立てて教えられる人・評価される演技を作れる技術がある人が必然的にかなり少なくなってしまうのではないかと思います…。

このような素人には分かりにくい部分は、専門家のセカンドオピニオンをもらうのも手です。ココナラ では、新体操の国際審判資格を持った優秀な指導者からご意見いただくことも可能ですよ。

↓↓↓

あるいは、信頼できる書籍や映像などの情報も参考にしながら、自己表現スキルを磨いていくのも良いでしょう。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます!

新体操という競技のルールは、まだまだまだまだ細かいものが存在します。この記事はざっくりとした大枠にすぎません。

しかし、大枠を知るだけでも全く違います。

新体操をやるのも、観るのも、もっともっと楽しくなります!

練習の仕方も変わり、もっともっと上手になっていきます。

お父さんお母さんの学習の力も絶大。特にチャイルドやジュニアの期間は、新体操の上達に家庭の協力が必要不可欠(詳しくは、『【新体操を検討中の親必見】理想と現実のギャップとは?よくある勘違い4選』をご参照ください)。

親がルールを把握しているか否かは、お子様の上達に深く関わってきます。ルールを把握することは、無学な指導者に捕まらない賢さを得ることにもつながります…!!(大変お金がかかるスポーツなので、先生選びは本当に大切です!!!)

この記事で、皆さんの新体操という競技におけるルールの知識を少しでも深めることができ、今後更に充実した新体操生活に繋がりましたら幸いです。

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